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ほんとは、その年の冬はスキーに行くつもりだったんですよ。 たまたま友人が家に遊びに来てて、たまたまテレビをつけると、冬山の映画だったんです。 登山の経験もなかったんで、とりあえず『冬山入門』って本も読み、それなりの準備をして、12月30日に出発しました。行き先は、奈良の大峰山。 はじめは、元気もあり、いい調子だったんです。 翌朝早く、頂上を目指して元気に出発しました。 僕はこんな時のために、ちゃんとロープを準備していました。 |
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まいったなぁ・・僕はちょっと考えました。 『もうちょっとやねんけどなぁ・・ついて来れそうか?・・戻ってもええでー』友人に尋ねると、『大丈夫やろー』とのこと。 崖を通過したのが、3時頃だったと思います。 このまま歩いても、もうすぐ日が暮れて、状況はますます悪なるだけや。 友人はスキー用の手袋をしてたんで、よかったんですが、僕は軍手の2枚重ねで、手袋をとると凍傷のため、指がパンパンに腫れていました。 |
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もうちょっと歩いてみよか・・ ということで話がまとまり、二人は再び歩き始めました。 ほんの15分も歩いたでしょうか・・やっぱり運がいいんですね。 『ラッキーやなー、なんじゃこれ!・・ドラマみたいや・・ちょっと、演出が凝り過ぎとちゃうか・・』 『おい、起きろやー』友人が夜中に起こすんですよ。 翌朝になると、二人ともかなり元気を取り戻していました。凍傷の手も一晩中お腹の上で暖めていたので、だいぶよくなっていました。 ちょうど昼ごろ、頂上に着きました。 で、問題は下山ルートです。 二人でしばらく検討し、結局、沢下りの方を選びました。 雪は股の下ぐらいまで積もっていて、急斜面の所々に小さな木があるんです。 いや、ホント、ラッキーでした。ラッキーだけでしたね。 後で聞いたんですけどね。例年になく雪が深くて登山客はみんな途中で引き返したんだって・・。 その時の教訓 |