その日、近所の山に登ると、たくさんのトンボみたいなのがいました。
トンボって、普通、羽を広げて止まるでしょ。
でもそれは、羽をたたんで止まっていたんですよ。
でも、どう見てもトンボなんです。
『これは、なんやろう・・』って話していたら、
近くにいた知らないおじさんが寄って来て、
『えっ・・これ、トンボですよ・・トンボ・・トンボって知りません?・・』
『そうですか・・』って言うと、
『いやー、まいったなぁ・・トンボですよ・・トンボ・・トンボっていうんですわ・・・へぇー、トンボ知らないんですか・・トンボ・・へぇー・・・』
おじさんは、宇宙人でも見るように僕のことを不思議そうに見ながら、しつこく何度も『トンボ・・』を繰り返していました。
その時の教訓
1. 今日のところは、おじさんに花を持たせてあげよう。
2. 一言で、人を悩ますこともある。
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