2002年4月27日

20 謎の中国人

僕が日本橋でアルバイトしてた頃、店の常連客は不思議な人がいっぱいでした。
紐のように細いヒモの人が来るたびに、マスターは「あんなにヒモが似合うやつはおらん」といつも感心してました。
五木ひろしと寝て、男だってことを気付かれなかったことを自慢するおかまの人もいましたね。
競馬のノミ屋を潰すことに生き甲斐を感じている競馬好きの金持ち、白いスーツに白のリンカーンできめるいつも陽気なやくざの幹部、いろんな人がいましたね。
謎の中国人、テイさんも不思議な人でした。
ある日、近所のレストランのコックさんと一緒に店に来たんですが、まだ日本に来たばかりで、日本語があまりできなかったんです。
コックさんが紹介してくれたんですが、なんでも中国でナンバー2の実力者らしいんです。
事情があって、今、日本に身を隠しているそうで、時期が来るとまた中国に帰らなければならないとか言ってました。
そう言われると、その事情が聞きたくなるもので、聞いてみたんです。
それは中国の国の存亡に関わることなので言えないって。
真面目な顔で言うんですよ。怪しいですよね。
それから1年間ぐらい、毎日店に来てました。
コーヒーを飲んで2時間ぐらい店にいました。コーヒーはブラックでレモンを入れて飲むんです。
仕事は何もしていないようでしたね。ま、中国ナンバー2の実力者だから当然でしょう。
手相を見るのが好きでしたよ。僕も何回も見てもらいました。頼んだわけじゃないんだけどね。
手のひらにお金がいっぱい入ってくるけど、人さし指と中指のすき間からじゃんじゃん出ていって貯まらないんだって。エメラルドなどグリーンの宝石のついた指輪をしたら、出ていくのをくい止めてお金が貯まるとか言ってました。
僕はそんな指輪をしなかったから、全然お金が貯まりませんでしたね。
今、左手を見ると、人さし指と中指のすき間が塞がってるんです。
そろそろお金が貯まるのかなぁ・・。

その時の教訓
1. そうそう、殺し屋に狙われて、逃げ回ってる不動産屋の社長さんもいましたね。
2. みんな個性的で、楽しい人たちでしたよ。

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