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寺田秀夫

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美しききすみ野と共に
兵庫県小野市きすみ野に生まれた(1926年?2010年)松本茂樹は、85年の生涯、故郷きすみ野の自然を愛し、純粋に芸術の道を歩み続けた近年まれにみる孤高の画家であった。
若き頃、自らが建てた千葉県房総半島のアトリエから故郷きすみ野に居を移し、生涯を芸術に捧げている。
中年期にはスペインに渡り、得意のスペイン語を駆使して、スペイン人になりきって、自由奔放に日夜制作する。
帰国後は再び自然と共存して松本茂樹独自の精神レベルの高い表現へと向かう。
晩年は、きすみ野の美しきかも池にイーゼルを立てて水とかもの姿を抽象的に描ききって「無の哲学」を表現していたのかもしれない。
「貧しき事は幸なり」「生き方がアートを決める」………口癖であった。 この言葉の通りの生きざまを見せて僅か6日間の入院の末に忽然とこの世から去った。